投稿
2024.04.05

ふだんのくらしをささえるしごと 塩見 彩さん(入舟寮)

このコーナーでは、学生の方や、福祉の仕事に関心のある方に向けて、大阪市内の社会福祉施設で働く若手職員の声を、Q&A形式でお届けします。

 

入舟寮  塩見しおみ さやかさん

・児童養護施設 指導員

(資格:教員免許)

・勤務年数:2年目(令和5年11月時点)

 

Q1 今の仕事に就いたきっかけをおしえてください。

元々、私は学生時代に教師をめざしていました。教員免許を取得する実習のなかで、児童養護施設に出会いました。それまで、児童養護施設について何も知らなかったので、すべてが驚きでした。教師を目指していたのは、“こどもを近くで支えたい”という理由が一番にあったので、児童養護施設ではこどもを一番そばで支えられる点でとても魅力を感じました。その実習で施設に出会えたことで、この職に就きたいと思うきっかけになりました。

Q2 担当している施設での仕事は、誰を対象とした、どんな仕事ですか?

児童養護施設では、さまざまな事情により養育が困難な2歳~18歳の児童が生活しています。こどもたちにとって生活の場所です。仕事内容としては、基本的にこどもたちの生活時間と連動しています。朝はこどもの起床を促すところから始まり、朝食の配膳をして学校へ送り出します。こどもがいない間に掃除や洗濯、事務仕事などをします。帰ってきたら、学習指導をします。その後は、一緒に遊んだり夕食の準備をしたりします。その後、入浴介助をし、就寝を促します。このように、こどもたちと生活をともにしていきます。そのなかで、こどもが健全に成長・自立できるようにサポートしていきます。現在は、施設の小規模化が進んでいます。それは、できる限り家庭に近い落ち着いた雰囲気の中で、生活を送れるように、家庭に近い形での養育が推奨されているからです。入舟寮でも現在、一つの小規模ホームが運営中。来年度に二つの小規模施設を開設する予定です。

Q3 仕事をしている中で感じる「やりがい」や「魅力」をおしえてください。

やりがいは、児童の成長や変化を一番近くで感じることができるところです。その成長に気付けたときや携われたときに強くやりがいを感じます。今までは、泣いて拗ねて自分の意見を主張していた子が言葉で伝えたり上手にお願いすることができたりする子や、去年は運動会で無気力だった子が一生懸命競技に取り組むことができていた子。日常の生活や行事でたくさんの成長を見つけることができます。例を挙げると、なかなか授業に取り組めないFくんがいました。ふりかえりを通し、原因を探して解決策を一緒に見つけていきます。上手くいくこともいかないこともありますが、その都度、職員と一緒に繰り返し話をし、最終的に授業に取り組むことができました。Fくんとしても、一緒に取り組んでくれたという気持ちが強く、「今日は学校頑張ったよ」と話をしに来てくれます。

Q4 仕事をしていて大変だったこと、苦労したことはありますか?

大変なところとしては、こどもと一緒に過ごす時間が多く、距離も近い分、こどもとぶつかることも多々あります。そのときにしんどさを感じますが、乗り越えるとより関係性が深くなるので、大切な機会ではあります。例えば、去年の夏に関係性が築けていなかったTくんと何度もぶつかることがありました。気持ちとしてはかなり落ち込みましたが、そのことをきっかけにTくんともっとコミュニケーションをとって関係性を深めようと思うことができました。意図的に会話の機会をつくることによって、Tくんとの関係が良好になりました。今では、去年ぶつかったことを笑い話にできています。

Q5 福祉を学ぶ学生や、福祉の仕事に関心がある方に向けてメッセージをお願いします。

こどもの成長とともに職員自身も成長できる仕事です。授業になかなか取り組めない子の例をあげさせてもらったように、こどもと一緒に達成感を味わうことのできるとてもやりがいのある仕事だと思います。私自身、仕事でしんどさを感じた際に、こどもと関わって前向きに取り組むことができています。子どもと密に関わることができるところがとても魅力だと思います。

──ありがとうございました!

 

  • 塩見さんが働く「入舟寮」(社会福祉法人海の子学園)のホームページはこちらから

画像をクリックすると施設(法人)のホームページへ移ります

 

  • 福祉に関心がある学生の方など、記事をご覧になって「こんな施設に見学に行ってみたい」「実際に職員の話を聞いてみたい」と思われた方は、大阪市社会事業施設協議会HPのお問合せフォームまでお問合せください。事務局を担当する大阪市社会福祉協議会の職員が、あなたの思いをお聞きし、施設・団体等におつなぎします。
  • この記事は「福祉のおしごと魅力発見ミーティング」(令和5年11月)に出席した若手職員の声をお届けしています。企画概要はこちらから。

※本記事の記載内容は令和6年3月時点の情報を基本としていますのでご了承ください。

戻る