ふだんのくらしをささえるしごと 松浦 天観さん(デーセンターモモの家)
このコーナーでは、学生の方や、福祉の仕事に関心のある方に向けて、大阪市内の社会福祉施設で働く若手職員の声を、Q&A形式でお届けします。
デーセンターモモの家 松浦 天観さん
・指定生活介護施設 生活支援員
(資格:重度訪問介護従業者養成研修認定特定行為従事者)
・勤務年数:3年目(令和5年11月時点)
Q1 今の仕事に就いたきっかけをおしえてください。
大学時代は福祉についてほとんど学んだことはありませんでしたが、漠然と「社会的に弱い立場にある人のために仕事がしたい」という思いで就職活動をおこなっており、自然の流れで福祉分野に辿り着きました。
そのようななか、偶然参加した当法人の説明会で、初めて「重症心身障害」を抱える方々と出会いました。また、施設の雰囲気が明るいことや、幅広い活動を積極的におこなっていることなどを知り、当時の私が持っていた「福祉に対するイメージ」は、いい意味で大きく覆されました。
総合して、「ここなら自分らしく働けそうだ」と感じたことが、入職の決め手となりました。
Q2 担当している施設での仕事は、誰を対象とした、どんな仕事ですか?
法人全体としては、重度の身体障害と重度の知的障害が重複した状態である「重症心身障害者」と呼ばれる方を対象としたサービス提供をおこなっています。デイサービスに加え、グループホームの運営やヘルパー派遣などです。
利用者さんたちの基本的な生活支援に留まらず、自主製品制作および販売活動、アート活動、国際交流、地域交流など…色とりどりの活動を展開しています。
また、私個人においては、重症心身障害や、法人のことについて、世間のみなさまに知っていただくための広報活動も担当しています。
Q3 仕事をしている中で感じる「やりがい」や「魅力」をおしえてください。
重い障害のために、食事や排泄、移動などが当たり前にできない方が多く、感情を読み取ったり、コミュニケーションを取ることも一筋縄にはいきません。
ただ、難しいからこそ、利用者さんの伝えたいことを汲み取れた時や、笑顔を引き出せたときの喜びもひとしおです。
単に「介護者と利用者」という関係性ではなく、いい意味でスタッフも利用者さんもフラットに、色々な活動に取り組んでいるところが魅力だと思います。重い障害のためにできないことにばかりに目を向けるのではなく、「どうしたらできるか」「何ができるか」ということをみんなで考え、実行に移すことのできる環境が整っていると感じます。
Q4 仕事をしていて大変だったこと、苦労したことはありますか?
日々の生活のサポートに加え、私たちには「重症心身障害および当事者のことを、社会に広く伝えていく」というミッションもあります。当事者の方が自ら声を出すのが難しい分、支援者である私たちに託されているところも大きく、私たちの行動次第で社会を変えていけるのだ、と信じて日々活動に取り組んでいます。
社会を変えるということは、一朝一夕でなせることではないからこそ、大変でもありますが、それ以上にやりがいもあると感じます。
Q5 福祉を学ぶ学生や、福祉の仕事に関心がある方に向けてメッセージをお願いします。
先述の通り、私たちの仕事は、利用者さんたちの日々の生活のサポートに留まらず、一見福祉とは関係ないような種々の活動に及びます。私自身、「色んな人たちと色んなことを経験できることの楽しさ」を身に染みて感じていますし、利用者さんたちも同じように感じていただけていると信じています。
当法人では、福祉を専門で学んで来たスタッフと、私のように全く別の分野から福祉に参入して来たスタッフが半々くらいで混在していますが、そうしたことも「幅広い活動」を実現するための原動力となっているのではないかと思います。
ですので、福祉について学んでいる方はもちろんのこと、全く勉強したことがない方でも、大丈夫です!ケアに関する技術や知識は後からいくらでもついてきます。「世界をもっと良くしたい!」「楽しく仕事がしたい!」という気持ちが何よりも大事です。
そうした気概のある方、ぜひ福祉の世界へ飛び込んでみてください。少しでもご興味を持っていただけましたら、当法人の説明会にご参加いただけますと嬉しいです。みなさまにお会いできるのを楽しみにしています。
──ありがとうございました!
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- この記事は、「福祉のおしごと魅力発見ミーティング」(令和5年11月)に出席した若手職員の声をお届けしています。企画概要はこちらから。
※本記事の記載内容は令和6年3月時点の情報を基本としていますのでご了承ください。