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2022.03.16

ふだんのくらしをささえるしごと⑥ 阪上真一さん(報恩寮)

このコーナーでは、福祉を学ぶ学生の方、福祉の仕事に関心のある方に向けて、大阪市内の社会福祉施設で働く若手職員の声を、Q&A形式でお届けします。

⑥児童養護施設 報恩寮 阪上真一(さかがみ・まさかず)さん

・児童養護施設・副主任(資格:社会福祉主事任用資格)

・勤務年数:11年目(令和3年11月時点)

施設の外観

Q1 今の仕事に就いたきっかけをおしえてください。

元々福祉系の大学に通っており、卒業に際して取得できる資格で就職できる職場を探していたところ、今の施設で働くことになりました。

就職するまでは自分が児童の分野、ひいては福祉の現場で働くことなどまったく想像しておらず、長く続けることができる未来も想像できませんでした。

しかし、施設で働き、子どもたちと過ごす中、児童養護施設で働くことの魅力や楽しさを学ぶことができ、今に至ります。

Q2 担当している施設での仕事は、誰を対象とした、どんな仕事ですか?

児童養護施設ではさまざまな理由があって保護者と暮らすことができない子どもたちが生活しています。そういった子どもたちの生活支援やケースワーク、私自身は監督職として支援している職員の育成や業務把握、外部施設・法人内の他施設との調整などをおこなっています。

Q3 仕事をしている中で感じる「やりがい」や「魅力」をおしえてください。

子どもの成長や、職員の成長を直接感じられるところがやりがいにつながっています。支援がうまくいかないことも多々ありますが、それに対して、部署全体でどうすればうまくいくかを考え、検討していく中で、考えた支援が子どもたちの成長につながったと感じることができた瞬間は非常にやりがいを感じます。

また、長く勤めると幼少期を知っている子どもたちが卒園して、施設に会いに来てくれることがあります。施設が家のような状況で育った子もいるため、そういった子どもたちが施設に来てくれ、卒園後がんばっている話を聞くことや、小さい頃の話をすることができるのも、この仕事の魅力の一つだと思います。

おめかし準備中(写真右は法人内の他の職員です)

Q4 仕事をしていて大変だったこと、苦労したことはありますか?

入職したての時期は子どもたちともぶつかることが多く、悩むことも非常に多くありました。また、自分より年上の保護者の方や関係各所の方たちと関わらせていただく中で、自分の力不足や経験不足を感じることも多く、そういった点では苦労したと思いますが、何事も経験として取り組むことで、自分自身成長することができました。

Q5 就職する前のイメージと、実際に働いてみてギャップを感じたことはありますか?

私自身、就職する前に福祉施設での実習を経験せずに就職したので、事前のイメージはまったくと言っていいほどありませんでした。実際、今思うと軽く考えていた部分もあったかもしれません。

そんな中で仕事に就き、子どもたちと日々を過ごし、さまざまな背景を知ることで、軽い気持ちでできる仕事ではないと認識することができました。

Q6 最後に福祉を学ぶ学生や、福祉の仕事に関心がある方に向けてメッセージをお願いします。

学校の座学や実習で学ぶことも多いと思いますが、現場で働くことは想像している以上に大変なことが多くあります。学生時代に思い描いていた理想と違うことも多いかもしれません。ですが、それでも私自身が続けることができたのは、今を精いっぱいがんばって暮らしている子どもたちとの出会いや、一緒に過ごして経験したことがあったからだと思います。

自分自身と向き合うことも必要な仕事ですが、それを経て自分自身が成長できる仕事でもあると思いますので、ぜひ一度福祉の仕事に就いてみてはいかがでしょうか。

──ありがとうございました!

● 阪上さんが働く「児童養護施設 報恩寮」(社会福祉法人高津学園)のホームページはこちら

● 福祉を学ぶ学生の方、福祉の仕事に関心がある方で、記事をご覧になって「こんな施設に見学に行ってみたい」「実際に職員の話を聞いてみたい」と思われた方は、大阪市社会事業施設協議会HPのお問合せフォームまで。事務局を担当する大阪市社会福祉協議会の職員が、あなたの思いをお聞きし、施設・団体等におつなぎします。

● この記事は、広報誌「大阪の社会福祉」と大阪市社会事業施設協議会HPの連動企画として、「福祉を学ぶ学生のための施設職職員とのWEB懇談会」(令和3年11月)に出席した若手職員の声をお届けしています。企画概要や他の職員の記事はこちらから。

※本記事の記載内容は令和4年1月時点の情報を基本としていますのでご了承ください。

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