ふだんのくらしをささえるしごと 宝来歩実さん(障害者支援施設 エフォール)
このコーナーでは、福祉を学ぶ学生の方、福祉の仕事に関心のある方に向けて、大阪市内の社会福祉施設で働く若手職員の声を、Q&A形式でお届けします。
※本記事では、施設名称・種別等の固有の名称には「障害」を、その他一般的な説明は「障がい」という表記を使用しています。
障害者支援施設 エフォール 宝来歩実(ほうらい・あゆみ)さん
・障害者支援施設(入所施設)の生活支援員(資格:介護福祉士)
・勤務年数:4年目(令和3年11月時点)
Q1 今の仕事に就いたきっかけをおしえてください。
これがいしたいといった目標がないまま過ごしていた時に、母より介護の人材が不足していることを聞きました。近所に高齢者の方が多く接する機会があり、「人の役に立てる人になりたい」と、福祉の道に進むことに決めました。
専門学校に行き、そこで行った実習先が今の職場です。利用者さんと一緒に楽しんだり喜んだり、助け合っているところに感動し、ここで働きたいと強く思いました。
Q2 担当している施設での仕事は、誰を対象とした、どんな仕事ですか?
障害者支援施設で、18歳以上の身体・精神・知的障がいの方がいらっしゃいます。
24時間の日常生活の介助(食事・排泄・入浴)が主な仕事内容で、地域生活が楽しくなるように、日中活動も毎日違うものを取り入れています。
Q3 仕事をしている中で感じる「やりがい」や「魅力」をおしえてください。
障がいの特性上、自分の気持ちをうまく伝えられずに怒って手が出てしまったり、叫んでしまう利用者さんがいます。しかし、怒ってしまうことや手を出してしまうことはご本人もやってはいけないこととわかっており、落ち着いてから「ごめんね」と謝られます。
必ず、“伝えたいこと”というのがあり、それをうまく言えないからイライラして怒ってしまうので、とにかく時間をかけて訴えたいことに耳を傾けるようにしようと心がけました。
そうすると、ご本人もゆっくり「あれが...」と精一杯伝えようとがんばってくださいました。そこで、訴えたかったことが分かった時は、本当に嬉しくて、一人の人に耳を傾ける。寄り添うことができる魅力的な仕事だと感じました。
Q4 仕事をしていて大変だったこと、苦労したことはありますか?
新人に対する拒否が強い方がいて、介助の声掛けに行っても「いやー」と拒否がありました。どうすればこの方に受け入れてもらえるのだろうと考え、とにかくすれ違ったり目が合った時は、必ずあいさつと声掛けをするように心掛けて、介助の声掛けもなるべくするように苦手意識を持たないようにしました。
ある日、「トイレ」と私の目を見て訴えてくれるようになりました。
信頼関係を築いていくのは、とにかく焦らずに苦手意識を持たずに関わっていくことが大事であると学びました。
Q5 コロナ禍で変わったこと、工夫していることがあればおしえてください。
コロナ前は、フロアにご家族が来てくださったり、一緒にお出かけをしたりできていましたが、コロナが流行し、ご家族と会える機会も減り、外に出る機会もなくなってしまいました。
ご家族も心配であり、どうにか顔だけでも見れるようにとZOOMをつないでオンライン面会を始めました。また、宣言が出ていない時は、1階に設けたアクリル板越しの面会を行っていました。
最近では、期限が近いものなどを“移動スーパー”として売りに来ていただき、利用者さんが嬉しそうに楽しそうに買い物をしておられます。
Q6 最後に福祉を学ぶ学生や、福祉の仕事に関心がある方に向けてメッセージをお願いします。
一人の人にこんなにも寄り添える仕事に、まず興味を持って学んでいることが本当にすばらしいと思います。毎日やりがいを感じ、悩んだり考える時間があるからこそ、利用者さんと分かり合えた瞬間はこの仕事をして良かったと必ず感じられると思います。
福祉の魅力たくさん感じて、一緒に福祉の世界を盛り上げていけたら嬉しいです!!
──ありがとうございました!
● 宝来さんが働く「障害者支援施設 エフォール」(社会福祉法人大阪自彊館)のホームページはこちら
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● この記事は、広報誌「大阪の社会福祉」と大阪市社会事業施設協議会HPの連動企画として、「福祉を学ぶ学生のための施設職職員とのWEB懇談会」(令和3年11月)に出席した若手職員の声をお届けしています。企画概要や他の職員の記事はこちらから。
※本記事の記載内容は令和4年1月時点の情報を基本としていますのでご了承ください。