投稿
2022.03.11

ふだんのくらしをささえるしごと 小池菜月さん(スカイ・アンドロメダ)

このコーナーでは、福祉を学ぶ学生の方、福祉の仕事に関心のある方に向けて、大阪市内の社会福祉施設で働く若手職員の声を、Q&A形式でお届けします。

スカイ・アンドロメダ 小池菜月(こいけ・なつき)さん

・就労継続支援B型事業所の生活支援員

・勤務年数:1年目(令和3年11月時点)

Q1 今の仕事に就いたきっかけをおしえてください。

事務希望で就職先を探していたところ、当法人に出会いました。福祉に関する資格はありませんでしたが、学生時代、コミュニケーションについて学び、私自身も人とコミュニケーションを取ることが好きだったため、スタッフとして採用していただきました。

福祉への知識が薄く、経験等がとても浅い状態でしたが、先輩方に優しく指導していただけたおかげで、知識や対応方法を身につけることができました。

スカイ・ラヴ/スカイ・アンドロメダはこちら

Q2 担当している施設での仕事は、誰を対象とした、どんな仕事ですか?

私の担当は就労支援B型です。主に、知的、発達、精神、身体に障がいがある方を対象に、就職に向けて訓練、生活リズムを整えるなどこれからの生活の手助けになるための支援を行っております。

希望されている方にはパソコンの訓練等、新たなスキル習得に向けて、利用者様の希望に合わせた支援を行っております。

Q3 仕事をしている中で感じる「やりがい」や「魅力」をおしえてください。

この仕事のやりがいは、利用者様が本当にやりたいとおもっていることに気づき、それを利用者様が元々持っている力で実現することのお手伝いができることです。

例えば、「大きな声を出す」という方法でしか、構ってほしい気持ちを伝えられず、他人と関わる事が難しかった利用者様が、実は文字を書く事が大好きで、漢字もたくさん書けるということに気が付くことができた時のことです。私は利用者様と二人で「文字に書いて人に伝える」方法を練習し、見事に文字でのコミュニケーションをできるようになりました。

私はその時、利用者様は初めから何もできないわけではなく、ただ手段を見つけることが難しいだけなんだと思いました。それからというもの、利用者様の強みの発見や実行の手助けができた際、とてもやりがいを感じています。

施設内の様子

Q4 仕事をしていて大変だったこと、苦労したことはありますか?

利用者様は人との距離が近い方が多いため私は、「人と人との距離感」を掴むことがとても難しく感じました。私が仕事中にどこに移動しても、必ずぴったりとついて来られる方がいらっしゃいました。その方々に、正しい距離感について伝えることが、とても難しく苦労しました。

訓練の一環として利用者様とSST(ソーシャルスキルトレーニング)等を使い、コミュニケーションを取るための適切な距離感を練習をしました。時間はかかりましたが、今では近すぎることもなく、良い距離で会話などができるようになりました。

Q5 就職する前のイメージと、実際に働いてみてギャップを感じたことはありますか?

利用者様に対するイメージが入社前と入社後で大きく変わりました。入社前は、作業の訓練など「スタッフの指示で動くんだろうな」といったイメージが強くありましたが、実際は利用者様主体で事業所は動いており、入社したての頃は利用者様に内職をたくさん教えていただきました。とても嬉しく、驚いた記憶があります。

利用者によるお裁縫の作品

Q6 最後に福祉を学ぶ学生や、福祉の仕事に関心がある方に向けてメッセージをお願いします。

現在、資格がないと就職が厳しいと思っている方も多くいるのかもしれません。しかし、私のように無資格でも、コミュニケーションが好き、あるいは絵を描くことが好き、パソコンが好き、運動が好き、お化粧が好きなど、「好きなこと/好きなもの」がある方にぜひとも挑戦してもらいたいと思っております。

多くの利用者様は、「やってみたいけどやり方がわからない」「話を聴いてほしいけど、分かる人がいない」…そう思っている方が多くいらっしゃます。そんな方々の挑戦を手助けするのは、資格だけではなく、そんな好きなものを持った支援者との関わりです。

好きなものをたくさん持っている方は、ぜひとも福祉でのお仕事を考えていただけたりすると私はとっても幸せです。

──ありがとうございました!

●  小池さんが働く「スカイ・アンドロメダ」(NPO法人スカイ・ラヴ)のホームページはこちら

画像をクリックすると施設(法人)のホームページへ移ります

● 福祉を学ぶ学生の方、福祉の仕事に関心がある方で、記事をご覧になって「こんな施設に見学に行ってみたい」「実際に職員の話を聞いてみたい」と思われた方は、大阪市社会事業施設協議会HPのお問合せフォームまで。事務局を担当する大阪市社会福祉協議会の職員が、あなたの思いをお聞きし、施設・団体等におつなぎします。

● この記事は、広報誌「大阪の社会福祉」と大阪市社会事業施設協議会HPの連動企画として、「福祉を学ぶ学生のための施設職職員とのWEB懇談会」(令和3年11月)に出席した若手職員の声をお届けしています。企画概要や他の職員の記事はこちらから。

※本記事の記載内容は令和4年1月時点の情報を基本としていますのでご了承ください。

戻る